はじめに

DrawP Image


DrawP は 私の在籍していた研究室の研究対象の一つである通信用アンテナ などのパターン(放射指向性)を描くためのツールです.Unix 上で動く同種のアプリケーションとしては Gnuplot などがありますが, DrawP はパターンのみを描く目的で開発された専用ツールです.
主な特徴としては などが挙げられます.PC 上では DeltaGraphなどの優秀なツールがありますが, Unix 上には機能・速度などの点で満足できるものがありませんでした. DrawP はこのような状況の下で開発されたのです.

機能の割には DrawP の処理はそれほど重くありませんので, パワーのないマシンでも十分実用に耐え得ると思います. 参考までに私の開発環境を御紹介しましょう.

MachineEPSON PC-486GR+ with ODP
CPUIntel ODP DX4 75MHz
Memory31.6MBytes
OSFreeBSD 2.1.0R(98) + XFree86-3.2(X11R6)
Interpreter Tcl7.4/Tk4.0,Tcl7.6/Tk4.2,Tcl8.0a2/Tk8.0a2

DrawP のメリットは, Tcl/Tkというスクリプト言語で書かれており, ある一部の機能を除けば Tcl/Tk の動作するシステム上ではどこでも しかもコンパイルなどの繁雑な手続きは一切無しで全く同じソースファイル (アプリケーション)を使用することができるという点にあります. 例えば Win3.1/Win95,あるいは Macintosh 上にも Tcl/Tk が移植されていますので,これらの環境では Unix 上と全く同じ操作感覚で パターンを描くことができるのです.

また,Netscape Navigator の Plug-in ソフトの Tcl/Tk InterpreterSun Microsystems が無料で公開していますので,将来的には Netscape 上でも動作するかもしれません.


DrawP の記述言語である Tcl/Tk は,John K. Ousterhout 博士 が開発した,Unix,Windows3.1/95,Machintosh 上で動くプログラミング言語です. スクリプト言語でありながら多種多様な機能を持ち,中でも Tk を用いた GUI アプリケーションの開発の簡易さは世界中で爆発的な Tcl/Tk ユーザを生み,現在では無数のアプリケーションが開発,公開されています. なお Tcl/Tk に関して興味を持たれた方は,JAVA 言語で一躍有名になった Sun MicrosystemsTcl ホームページや,NetNews の fj.lang.tcl などを参照していただければ幸いです.

1997 年 2月 4日(火)
植田 裕之


インデックス
  1. DrawP の扱えるデータ形式
  2. データの読み込みとグラフの描画
  3. グラフ形式の選択
  4. 描画データの処理
  5. 指向性グラフの出力
  6. オプション
  7. ショートカットキー一覧
  8. バグ報告,並びに最新版の入手方法
  9. 今後の予定
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